2010-04-06から1日間の記事一覧

『わたしの彼氏』青山七恵

最近頭が爆発しそうになるくらい面白いのがこの連載。『地上生活者』につぐ大きな楽しみとなってしまったが、原因は予想もつかぬこの展開の内容と速さ! まさかこんな事になるとは。しかし最後になって「私自伝なんかやめて小説書くわ!」と姉が言うのだが、…

『歌うクジラ』村上龍

最初の頃は休載もあり、読んでいて少し退屈だったこの作品だが、中盤以降は、社会とは何か人間とは何かを考えさせるような事象が次々登場し、中々面白かった。村上龍は経済関係の著作とかも出したり、TVにも出ていたりするが、問題意識が普通の作家とは全…

『灯』岡田睦

この人のは作風変わるような事もまず無く、妄想なのか現実なのか良く第三者には分からないが、入所させられている所の悲惨さと置かれた状況の救いがたさの割には、主人公がユーモアを全く失っていないところがいい。 感想は一番短くなってしまったが、木村作…

『昼田とハッコウ』山崎ナオコーラ

幼いときから一緒に育ったイトコ同士の男性の話らしい。山崎ナオコーラが男性主人公ということで不安もなきにしもあらずだが、いぜん中年男性を描いたときにくらべれば違和感はない。きっと若い世代では意識のうえでも性差というのは縮まってきているのも、…

『見知らぬ人へ、おめでとう』木村紅美

もう一度書いたことかもしれないけど、木村作品にでてくる主人公って、同調圧力にのらない群れない女性でありながら、きちんと自分の生きる楽しみを見出しているかのような女性が多く、作品全体に楽天的な空気も漂い、当然私などがシンパシーを抱くことは少…

『ストロベリーソウル』吉田修一

何を意図しているのかよく分からないのだが、吉田修一が書き続けている日本の周辺国が舞台の小説。今回は題名が示すとおり、韓国が舞台。 殆どたいしたひねりもなく小説は終わるのだが、おそらくこんな感じで、日本韓国台湾の若年層が置かれた状況って、もう…

『群像』 2010.3 読切作品ほか

さいきん群像で佐藤友哉氏もいろいろ書いていましたが、昨今の出版不況に、電子ブックの登場も加わって、もう地殻変動がすでに起こったみたいな感じになっるみたいですね。 ネットに繋がなくても、文芸誌4誌のどこかには、紙の本がなくなる系統の話題が載っ…