2009-12-21から1日間の記事一覧

『逆光』荻世いをら

読んで2週間も経っていないのに、殆ど内容を忘れている。短く言ってしまえばそういう小説なのだが、いま、ざっとページめくって、ああ、そうだった中々アイデアのある作品だったなあ、と思い出した。 逆にいうなら、これだけアイデアのある小説なのに、なぜ…

『ガマズミ航海』村田沙耶香

性に疎外感を感じる(それをほんとうに自分のものと感じない)若い女性が主人公で、この作家がずっと追い続けているもの。 主人公と、そのパートナーの女性とが試みる全く新しい繋がり方が、逆説的で、傍からみれば中々とんでもない事をやっているのだが、そ…

『カルテ』墨谷渉

さまざまな形のマゾヒズムを追及している作家だが、以前よく描かれた、蹴られるとかそういう物理的なマゾヒズムよりは、最近の作品はよりノーマルな人にも分かるものになってきたような。もちろん、分かるというのは、実感として分かるときうのとは違うのだ…

『群像』 2009.12 読切作品

COP15が開かれたのが、この時期の北半球というのは何か意図的なものでもあるのか、と思ってしまうくらい寒くなりましたね。 しかしこれでも、自分が歳のせいで寒さに弱くなっただけで、昔はもっと寒かったような記憶があります。私が学校に内緒でバイク…