2009-04-19から1日間の記事一覧

『ポルト・リガトの館』横尾忠則

この作品が小説としては筆頭に掲載されているのだが、『文學界』編集部は何か勘違いしているのではないか。横尾氏といえばビッグネームで、当人が勘違いするのはそれは構わないが、そこは上手くコントロールしないと。まず文章そのものがニ線級で強度が低い…

『少女煙草』赤染晶子

確実に自分の世界、スタイルというものを持っている人だな、とは思う。今作も、紙のうえに完璧にひとつの、我々が暮らす世界とは別の世界を作り上げることに成功しているように思う。こういう世界がジャストフィットする人はとても気に入るのではないだろう…

『ブーゲンビリア号の船長』青来有一

最後の方になってやっと気付いたのだが、これは以前読んだ『夢の栓』という話の外伝みたいなものである。よほどこのモチーフに執着があるのだろう。 ただそこに至るまでの話がなんとも退屈。基本的には、幼子をなくした夫婦がその幼子をいかに真の意味で葬り…

『文學界』 2009.4 読切作品

新しい『群像』が分厚いせいで鞄がパンパンになってしまって、手首も疲れて困ってます。 新鋭競作と海外文学特集を同じ号でやってしまうせいですね。力入っていていいのですが。新鋭の中には読んだことない、それどころか初めて見る名前もあって楽しみな反面…