2009-04-10から1日間の記事一覧

『ナイトウ代理』墨谷渉

相変わらずS女性とM男性もの。しかも男性は、たいてい平凡でどちらかというと貧弱な人間。すばる文学賞以来、まったくこの人のモチーフは変わらない。全部読んだかどうか分からないけれども。 しかし今まで読んだ墨谷作品のなかで私にはこれが一番面白かっ…

『薔薇色の明日』岩崎保子

一人の男をめぐって二人の女性に語らせる三角関係もの。もはやこういったそれぞれの視点みたいに複数で語らせる事自体が決定的に古臭いし、綺麗な方の女性が、綺麗過ぎるがゆえの悩みを語るに至っては、あまりに凡庸でありきたりで退屈感が極まる。綺麗な方…

『ここに消えない会話がある』山崎ナオコーラ

このところ文芸誌で名前を見ない月は無いといっても良いくらいの売れっ子と化しているナオコーラであるが、正直その良さがいまいちピンと来ない。もっと主体的に言うなら、私に理解できない良さがきっとあるのだろうな、とは思う。私がなんとか理解できるの…

『すばる』 2009.4 読切作品

そういえば、辻仁成の小説に函館の夜景が出てきましたが、函館には行ったことがなく、有名どころでは熱海の夜景を見たことがあります。まだ熱海が観光地としてさびれていなかった頃ですからそこそこ綺麗でしたが、私が胸を打たれるほど美しいと思った夜景は…