2009-03-25から1日間の記事一覧

『男と点と線』山崎ナオコーラ

普通でない男と女のあり方に焦がれるという意味で、『スカートのすそを〜』にテーマが通低していて、ああなるほど山崎さんの最近の関心はそれなのねとは思ったが、あの作品ほど描けてはいない。 ここまで単純にして無垢な中年男性というのはちょっと無理があ…

『八月』佐川光晴

愚鈍な昔ながらの純文学だが、これはこれで支持したい。とにかく現実に起こった自己と世界、あるいは自己と他者のあいだの軋轢や齟齬を、文字にしようという情熱がこの人にはある。昔ながらの近代文学のあり方であり、新しさなど全く無い。しかし、全てが新…

『傘と長靴』川崎徹

いつも川崎徹の小説を読むと思うのだけれど、とりつくしまがない、という感じ。違う言い方をすると、この人はいったい何のために書いているのだろう、といつも感じてしまう。 たしか今まで2作くらい読んでいるはずだが、殆ど何も残っていない。平明な出来事…

『群像』 『新潮』 2009.3 読切作品 残り

偶然、辻仁成氏が再結成エコーズ?としてTVで歌っているのを目にしてしまいました。 で、聴いた瞬間、うわヘタ!と思ってしまったんですね、いやその演奏じゃなくて唄が。いやこんな書き方失礼かもしれないので、ちょっと言訳させてもらうと、昔聴いたとき…