2008-11-01から1日間の記事一覧

『怪訝山』小池昌代

金持ちにたいして価値の無い絵画を売りつける詐欺的な商売をやってるサラリーマンが伊豆の山裾のひなびた温泉宿で地元の体格の良い女将とねんごろになる話。この女性と山のイメージをオバーラップさせているところがポイントだがやや無理なかんじ。 金魚がな…

新連載『なずな』堀江敏幸

この独身でなぜか赤子を育てている男性と、彼が親しくしている医者のバツ一娘が、どうみてもいずれは一緒になりそうな予感がしてしまうのは何故だろうか。描き方が上手いという事なんだろうか。 それだけならメロドラマ的小説に過ぎず、男性の境遇をみても今…

『団地の女学生』伏見憲明

団地にひとり暮らしをする老女が、ゲイの中年男性をお供にして戦中戦後のころ自分の事を好きだった男性を何十年ぶりかに訪ねに故郷に行く話。 題名からして主人公である筈の老女よりも、お供に過ぎないゲイの方がよく描けてるなあという感想を最初抱いたとき…

『ハワイアンブルース』木村紅美

前作が割と面白かったので読んでみたが、確かによく書けている。 群れて行動するのが好きでないOLという読者が感情移入しやすそうな人物を主人公にし、ハワイに社員旅行して沖縄に関する施設を訪ねて帰ってくる話。いつもは社内で中心的な位置にいてどちら…

『すばる』 2008.9 他

そういえばこの間、セドリの人たちのお陰かどうか分かりませんが全く掘り出し物に出会えない超有名チェーン古書店で、『すばる』の割と新しい号を105円で手に入れたので読んでみました。 今日はそのうちいくつか。 ところであの誰もが知ってる超有名チェ…