2008-03-28から1日間の記事一覧

『宿屋めぐり』町田康

相変わらず語り口は面白いのだが、なんだか面白いのはそれだけみたいな気がして、急激に飽きてきたなあ、と思ったら、来月で終わるらしい。 結局、主とは何ぞやとかの宗教的な問いは、主人公の頭のなかでぐるぐる回るだけという印象。同じ頭のなかで、少し前…

『ピストルズ』阿部和重

展開が遅すぎ。阿部には、というより私は阿部の事を倫理的にすごく信頼している部分があるので文句はいいにくいか、編集部にはもう少し読者を引っ張る努力をして欲しいと思う。ここ三四ヶ月同じ所で止まってる感じすらする。

『歌うクジラ』村上龍

最近なぜか面白く思えるようになってきた。ここまで極端にデストピア化しないだろうとは思うものの、現代に対する批評としてこれは成り立ってる部分があるなあ、というのが徐々に出てきて、なかなか面白い。例えば政府が何かを禁止した、とかこの小説で書か…

『あまりに野蛮な』津島佑子

ミーチャが閉塞感から、とうとう万引きに手を出してしまうとは驚きだった。本人は真剣に悩んで塞がってるのに、周りからはわがままなだけに見えてしまう、というのがよく表現されていると思う。 せっかく手に入れた泥鰌を捨ててしまうのはなんとももったいな…

『骸骨ビルの庭』宮本輝

休載が多いは、展開が遅いは、で、これだけ読みやすい文体でなければ相当読むのが辛かったろうなあ、と思う。脅迫めいたものがあってから、その後の動きがあまりにも無さ過ぎ。またビルに暮らす人々が皆楽天的に明るい感じで、貧窮時代の苦労もあまり雰囲気…

『群像』 2008.4 連載作品その2

そろそろ桜の季節ですが、ネットのおかげで隠れた名所というのがなくなりましたね。どこも酒飲みがいっぱいでうんざり。 私にとっては路上喫煙の煙よりも、路上飲酒者の大声の方がずっと迷惑です。 短めにコメント。