『あまりに野蛮な』津島佑子

ミーチャが閉塞感から、とうとう万引きに手を出してしまうとは驚きだった。本人は真剣に悩んで塞がってるのに、周りからはわがままなだけに見えてしまう、というのがよく表現されていると思う。
せっかく手に入れた泥鰌を捨ててしまうのはなんとももったいないと思うと同時に、そういうふうに行動してしまうミーチャというのも半分は分かるのである。1人称で描写し読者に主人公に感情移入させつつ、突き放したところ(例;台湾人)からの視線も同時に描き出しているという事だろう。