2007-08-06から1日間の記事一覧

『ニッポンの小説』高橋源一郎

とうに連載終了した田中和生の批判にたいしてあーだこーだ言い分けしている。 小説は小説家でないと分からないって言い切ったんだから、いまさら、何を言おうと無駄。他の読みの排除いがいの何物でもない。なにしろ「分からない」んだからね。 音楽家でも、…

『美女の林間の空地』岡崎祥久

凡人である男性主人公が、世間とのかかわりを内省しつつ女性と宝くじの番号などをアイテムの軸に、パラレルワールドを転移していくはなし。 転移していくにしたがって、同居女性の行う家事(作ってくれる食事)の内容が劣化していくくだりなどは、予想はした…

『願』安斎あざみ

言問橋だの吾妻橋だの隅田川界隈での散歩がメインの話で、あのへんの空気になじみがあるんで楽しめてしまったが、知らない人にとってはどうなんだろう。下町っぽさと下層生活現場っぽさの同居する、なんともいえない「変わらない」「取り残された」感じは、…

対談『私たちと芥川賞』小川洋子×川上弘美

ふたりの真面目さがよくでた対談で、全体的には退屈なのだが、古井由吉が小川洋子の作品にたいしてひとことも言及がない、というエピソードが面白かった。何も言う事がないというのは、かえって辛いだろうなあ。川上は対談だと嫌味があまりなく抵抗が少ない。

『文學界』 2007.8

夏バテしてます。ちょっと食料の買出し行っただけなのに。