『ニッポンの小説』高橋源一郎

とうに連載終了した田中和生の批判にたいしてあーだこーだ言い分けしている。
小説は小説家でないと分からないって言い切ったんだから、いまさら、何を言おうと無駄。他の読みの排除いがいの何物でもない。なにしろ「分からない」んだからね。
楽家でも、あそこは演奏家でないと分からない部分なんだ、と言う例は数あれど、そういう言説を前面に出す例などほとんどないだろう。"演奏家でないとわかんない所はあるけど、そこはそんなに気にしなくていいんだ、ほかの部分だけでもじゅうぶん楽しめるはず"、という言い方を心得ている人がほとんどだ。
この人こんなふうにして、田中和生クラスの言うことなど気にしなきゃいいのに八方美人的に振舞ってるけど、それで却って支持を失うこともあると思うんだけどね。