2007-03-28から1日間の記事一覧

『痺れ』浅暮三文

ある人の体が徐々に痺れていき、どんどん抽象化した存在になっていくという話。 実際にあった少女への殺人事件が語られるところからスタートするので、リアリズム的なものかと思いきや、まったく違って、悪い意味で裏切られた。 とにかく、痺れた、発泡した…

『蛇行』宮崎誉子

今まで読んだ宮崎作品といえば、いきなり苛酷な労働現場に放り込まれる若い主人公と、そこを上手く泳いでる格好よい上司、みたいな作品だけだったのだが、今回はちょっと違う。 なんと専業主婦が主人公。これまでとはある意味まったく違う立場の人間といって…

『りんご』吉田修一

予想もしなかったが、中国人(厳密には香港人)の話である。 吉田修一は古本でいちど読んだことがあって、たしか『パーク・ライフ』という題名だったと思うが、読みやすい小説だがしかし見事に何も残らないな、という感想を持ったのは覚えている。 今作はあ…

『群像』 2007.4

下のほうで止めるかもとかコメントしているけど、とりあえず読んだものは書いてしまうのであった。