2007-01-30から1日間の記事一覧

『雲の影』片山恭一

なんだろうなあ、というのが最初の感想。『セカチュー』に偏見があったわけではないのだが。 この作家のほかの作品で、アマゾンで人物が薄っぺらという評があったけれど、それに抵抗するように、心理描写が多い。が、同じ人間のものとして統一感がなく、リア…

『芳香』青来有一

読み終わった直後は"紙の無駄"評価にしようと考えていた。まあ、そういう作品。私が考える、典型的なよくある、暗い純文学。 "ツマラナイ"にする事としたのは、この作品の後に掲載されている小説を読んだ、読んでしまったから。 あの作品よりは遥かにマシに…

『沈黙交易』辻原登

バブルで崩壊する地方都市、和歌山の毒入りカレー事件、中国共産党のチベット侵攻など、社会派的テーマにも目を配りながら、印象としてはあくまでそれらは、添え物に過ぎず、物語の核は、分量的にもそうだが、現代から忘れ去られてしまった小人族との出会い…

『文學界』 2007.2 まだまだ

半ば意地になって、本屋で新刊見かけても素通りするような作家も読んでみました。 で思ったのは、やっぱり今の『文學界』はつまらねえや、ということ。