2010-09-23から1日間の記事一覧

『ポエティック・クラッシュ』高原英理

2人の現代詩人が、都心の大型書店で講演会というか討論的なものを行い、そこで色々「いま」の文壇(詩壇)の状況などについて語る、ほぼそれだけの話なんだが、これは事実をそのまま、例えば固有名詞を入れ替えるだけ書いてしまうと角が立ちそうなところを…

『母子寮前』小谷野敦

以前私が読んだ作品は、登場人物の名前からしてもう少し小説寄りだったが、この作品は「あっちゃん」などとなっていて、最早エッセイと区別が付きにくいものとなっている。また、執筆時の作者の信念なのか、その出来事があったときに思った事なのかの区別が…

『文學界』 2010.9 読切作品

奥泉さんの書き下ろし本が出まして、そのせいでシューマンが生誕200年であるというのを知ったのですが、それを聞いて、まだ200年しか経っていないんだ、と思った人はそこそこ居るのではないでしょうか。 私は、まさしくそう思った一人で、「まだ200…