2010-05-28から1日間の記事一覧

『望みの彼方』喜多ふあり

長いわ。主人公のひとりよがりが全くどうしようもなく、切実さも感じず、したがって感情移入もできず。もちろん、こういう人物がいたっていいし、それで小説書いてもいいんだけど、ここまでの長さにつき合わされるともうウンザリだ。この、友達以上恋人未満…

シリーズ願い『たくさんの荷物』藤野千夜

もちろん誰もが、昨今の「暗さ」など取り込む必要も無く、感じなければそれでいいのだけど、藤野作品を読んでも何の感想も浮かばないのはずっと変わらない。この人新潮でも書いているのだけど、主人公が付き合う男性がいつもガキみたいな奴ばかりのような気…

新連作『除夜』古井由吉

うーむ。何年も前に寝た女の匂いを男が発しているというんだけれど、さすがに物理的にそんなことはなくて、でも、これ読んでると、いかにもそういう事が(今の女性がそういうふうに感じることが)ありそうに思えてくるというのが、なんとも面白いよなあ。き…

『群像』 2010.5 読切作品ほか

何気なくラジオを聴いていたら、”アイパッド”とやらの発売日らしく、言葉使いの端々に知性とデリカシーの無さがにじみ出ているかのようなDJが、登場するゲストや交通情報の人にまで「買いますか?」とその話題をふっていて、殆どの人に様子見と言われて居…