2010-05-23から1日間の記事一覧

『燼』藤沢周

葬式帰りに酒場で一杯。人生について考える、といった内容の、いかにもこの作家らしい小説のわりには、ナルシスティックな色合いがそれほど濃くなく、普通に読めた。なるほど紙幣って全部灰になっても、燃えカスがきちんと残っていて検査して戻ることもある…

『アナーキー・イン・ザ・JP』中森明夫

文芸4誌のなかで、5月号のダントツがこれ。恐らく単行本化もされるだろう。 なかでも楽しいのは、「新潮社」や、新潮の編集者も含めて実在の人物・団体まで登場して、歯に衣着せぬかたちで言及されるところで、福田和也とか柄谷までかなり否定的に言及され…

『新潮』 2010.5 読切作品

ラッシャー木村が亡くなったらしいのですが、国際プロレスのエースとして、アレックス・スミルノフと死闘を演じていた彼を知っている人は、ここを見ている人のなかには絶対誰もいないでしょう。 国際プロレスは、東京12チャンネルしか放映していなくて(当…