『新潮』 2010.5 読切作品

ラッシャー木村が亡くなったらしいのですが、国際プロレスのエースとして、アレックス・スミルノフと死闘を演じていた彼を知っている人は、ここを見ている人のなかには絶対誰もいないでしょう。
国際プロレスは、東京12チャンネルしか放映していなくて(当時は今と違ってほぼ東京ローカル)、猪木や馬場の団体ばかりが有名でしたが、国際プロレスは実力は遜色なく、グレート草津とかマイティ井上とか、猪木の団体と交流戦をしても決して負けていませんでした。
まあ、「実力」とはいっても基本はショーですけどね。
でも、レスラーはテレビ中継の日だけ試合しているわけではありません。そのへんは大相撲の巡業と一緒ですが、同じショーでありながら本場所以外の大相撲と決定的に違うのは、、マットというのは想像以上に硬いということ。早死にが多いように思えるのも無理のないところ。60分勝負なのに、10分くらい闘っては場外乱闘で終わるのはちゃんとした理由があるのです。
そういえば、実際に頭部を強打して死んだ人も居るはずです。UWF誕生以降の「プロレス」はあまり詳しくないので、詳細は知りませんが。