2009-05-23から1日間の記事一覧

『漱石深読−「坑夫」』小森陽一

評論としての面白さとは別のところに言及したいので評価不能としておく。というのもちょっとこの評論の「注」に文句つけたいのであるが、小森陽一という人は湯浅誠のいう「すべり台社会」という事の意味を理解しているのだろうか。湯浅がいう「うっかり足を…

『猫、めだか、邯鄲』青山真治

ほとんどが猫の話。猫好きの人の猫についての話がいかにつまらないかは川崎徹の小説で嫌というほど思い知ったが、この小説も例外ではない。名前の由来とか、なんでそこまで詳しい話を語りたがるのだろうか。猫好きのような人でも、(あるいは、に限って?)…

『失踪クラブ』原田ひ香

ひさしぶりに金返せと思わせるかのような作品だったが、同じ号に吉原清隆の傑作が載っていたりもする。しかも金返せと思ったわりには最低の評価ではない。少なくともなんとか人に読ませようとする工夫のあとが少しは見られるからだ。どういう点かというとそ…

『すばる』 2009.5 拾遺

以前、『新潮』の連載で四方田犬彦氏が言及していた若松監督の連合赤軍の映画がWOWOWで放映されたので見たのですが、同じあさま山荘事件を扱っていながらこんなにも違うかっていうくらいに、全く違う映画になっていましたね。何と比べてかというと、原…