2008-10-17から1日間の記事一覧

『電気馬』津島佑子

ひとりの老中年らしき女性が、長年世話してきたとおぼしき障害をもつ男性を殺害してしまう。しかし、それはなかば自分の意思からでたものではないのだ何かに動かされ・・・・・ときにニュースなどで報じられる痛ましい出来事にたいする津島なりの文学的答えといっ…

田中慎弥のエッセイ

このエッセイに興味深い記述が。 田中氏は「(自分の作品もときに難解といわれるので)もう少し分かりやすく書かなくてはならないと考えている」らしい。 思うに、田中氏の場合、ひとつひとつ文章はけっして分かり辛くはないのだ。ただ全体として決して読み…

『葵−源氏物語特集より』金原ひとみ

この作品のみ、現代の小説として響いてくるものがあった。といってもこの特集で読んだのは、上記を含めて3作品だけなのだが。源氏から離れて完全に金原ひとみの短編として成立してる。 なかでも最後2ページの迫力は相当だ。子供を生むことを、文学の言葉で…

『末摘花−源氏物語特集より』町田康

町田の作品は読むつもりがなかったが、冒頭の数行をよんでいるうちに全部読んでしまった。町田の文章力はそれだけの引力を持つといくことで、それだけでもすごく評価すべきことなのだろうが、この作品は強引に町田的文章に源氏の内容を押し込めただけのよう…

『若紫−源氏物語特集より』角田光代

読み易く、また情景もあたまに描きやすく、ひとつの世界を作っていてさすが、という印象。ただし内容はといえば、現代人の心情にマッチできていない。これは角田の責ではないだろう。源氏物語はやはり遠いのではないか、と思う。たしかに少女の唯我的なとこ…

『新潮』 2008.10

今この日記、途中まで書いて、まちがって左側のタブをクリックして全部消しちゃいました。 ただでさえ最近やる気がないところ、せっかく書く気がでてきたのに。