2008-04-25から1日間の記事一覧

『神器―浪漫的な航海の記録―』奥泉光

この人の、「日本人」への拘り、「かつての日本人」の現代への呪詛への拘りも敬服する。ここんとこ3号連続くらいにわたって、現代の我々のあり方が彼らにより告発されるのだが、私はこれを読むと本当に畏まってしまう。 物語自体はクライマックスの気配あり…

『太陽を曳く馬』高村薫

高村薫の、今になってまだオウムを言葉にしようとする執念に敬服する。 この形而上的な会話の、基礎知識がないと訳の分からないことをそのまま出してくるのも凄いが、誰がしゃべっても全く同じであるかのような見分けのつかなさがいい。凄いよー、だって僧侶…

『あまりに野蛮な』最終回 津島祐子

現代と占領中を往ったり来たりして連載としては非常に読みにくかったこの連載がいきなり最終回。前月号ではそんな予告は無かったはずなのに、何か事情でもあったのだろうか。 内容もどちらかといえば喰い足りず、リーリーの子供が死んだ理由も結局交通事故で…

『群像』『新潮』の連載について

私の数少ない自慢ネタのひとつ−今まで一度もゴルフをやった事がありません。