『神器―浪漫的な航海の記録―』奥泉光

この人の、「日本人」への拘り、「かつての日本人」の現代への呪詛への拘りも敬服する。ここんとこ3号連続くらいにわたって、現代の我々のあり方が彼らにより告発されるのだが、私はこれを読むと本当に畏まってしまう。
物語自体はクライマックスの気配あり。最近書いてきた推理小説的な部分は、この作品には期待できないのでファンは注意。