『太陽を曳く馬』高村薫

高村薫の、今になってまだオウムを言葉にしようとする執念に敬服する。
この形而上的な会話の、基礎知識がないと訳の分からないことをそのまま出してくるのも凄いが、誰がしゃべっても全く同じであるかのような見分けのつかなさがいい。凄いよー、だって僧侶がマックス・ウェーバーを語るんだよ
最近鹿島田真希の連載小説といい、この手の小説的リアリズムな手法がお気に入り。そのまんまリアルに描こうとして少しもリアルでないのが最悪なのは変わらない。