2008-01-15から1日間の記事一覧

『川でうたう子ども』鹿島田真希

知恵遅れの女性が産み落としてしまった娘の話を中心に、寓話的な設定のもと、性や暴力の倫理を問う内容。読み疲れる。全体的にもちろん現実への批評なわけだから、どうしても現実に置き換えて読みたくなるし、といって現実に置き換えればこれはあの事だな、…

『夢の栓』青来有一

引きこもりの男性が、祖父が先の戦争で祭祀の長となってしまった未開民族の人に祭礼品を返して欲しいと言われる話。戦争末期に近づいてくると地域によっては全く把握不能なくらい日本軍は瓦解していたと思われるので、ありそうでもあり、でもちょっと無さそ…

『事態は悪化する』中原昌也

途中から、昨年の『新潮』に載った筒井康隆の小説のように、同じような出来事が微妙に少しづつ変化しながら反復される内容。筒井氏は自分の作品発表時に、中原氏も自分と同じような事を構想していたとどこかで書いていた記憶があるので、中原昌也のスタイル…

『文學界』 2008.1新年号 読切作品その2

自炊中心の食生活にしてから2年以上たつのですが、先日久々にケンタッキーのノーマルピースを食べて驚きました。 その塩辛さに、です。 もっとも、1個目の最初の何口かだけ違和感があっただけで、いつの間にか普通に食べてましたが。