『正直な子ども』山崎ナオコーラ

小学生モノ。ナオコーラ読んで面白かったというと相当昔になってしまったりするのだが、これは読んで単純に受け取れて単純に面白い。この作家は、へんに「深い」ものを書こうとするとイマイチだったりするから、こういうのが・・・・・・、とつい言いたくなるが、表面的には単純でも、たとえばこれだけTVにオネエが夜8時代くらいからどっさり出ていれば、こういう小学生は間違いなくいるよね、と思ったりもして、いいとこ突いてはいるのだ。井上作品に出てくるようなナイーブな、大人が作った感のある中学生なんかより、この小説に出てくる、もうすでに世を斜めから見ているプチ大人ともいえる小学生のほうにずっと私はリアリティを感じるのであった。