『骨』井上荒野

男子中学生もの。上記ほど予想内ではないが、幼馴染の関係が年齢と共にあっけなく変質したり、理不尽な暴力をふるったほうがあとで心理的に守勢にたたされてしまうというのは、物語としてありがちで、ではありがちではない所はというと、コンビニ解雇されたひとが汚物で復讐したりそれを通りがかりの中学生に手伝わせるという大胆なことしたり、大胆なことした割には中学生にビビったりといった内容で、リアリズムからやや遠い。こんな異常な取り付かれたような復讐をするひとが、こんな無計画な寄り道するだろうか?ひたすら突き進みそうなんだが。
といった文句は、主題とあまり関係ないところではあるのでやめて、とりあえず小説ぜんたいの印象としては可もなし不可もなしといった感じか。ひとつ気になったのは暴力衝動とやら。ふるってしまった暴力を衝動と結論したっていいのだが、それで片付けすぎ。ここの描写はいま少し丁寧であって欲しかった。