『鼻の虫』多和田葉子

人間の鼻のなかに寄生する極めて極めて小さい虫の話から入る。健康なひとでもその皮膚には様々な寄生虫がいてというのを耳にしたことがあり、「鼻の虫」というものがいてもおかしくはないが、途中から話は多和田らしい非リアリズムに傾く。生の実感を喪失した現代人の話かな?