『ぱんぱんぱん』丹下健太

群像が一年に一回くらいやる新鋭作家特集などにでもうってつけに思える作品。小学校の教室に鶏が迷い込むエピソードとからめて、その鶏を引き取ることになる少年の背後にあるオトナの世界の複雑さの存在をを、直接描かずにうまく浮かび上がらせている。読者の自由度と想像力の発揮をあるていど前提にしていて、そこそこ良く書けた作品ではあるが、それ以上の言葉が思い浮かばない。