『犬』稲葉真弓

わっざわざ擬人化して捨て犬に境遇を語らせているが、ひとつもココロ動かない。捨てられたペットなんかより、若い女子がいや〜ムシがいるとか言って害も無いのに殺虫剤や洗剤をばんばん振りかけたりしているのをみると、かわいそうだなと思うときもあるけどね。そしてそんなムシもいればムシみたいに扱われている人間もいる。今の世の中どこもかしこもペット万歳なんだから、小説が扱うのはどっちなの、て話だ。
むろん、わざわざ苦労してペットを拾ってきてる人の内面にも関心なし。余裕があっていいですね。というか、そういう人がいるから捨てられるという補完的なところもあるんじゃないの?
捨てる人も誰かいい人に、と思って捨てるんだろうしね。なんとも罪作りな。