『もう一つの世界で』叶 弥

いわゆる変身譚?という奴なんでしょうか鶴の恩返し的な。
中国の地方での開発は金融危機以後すさまじいものがあるらしく(最近でも鉄道事故あったが)、その開発の環境破壊のせいで住めなくなる蛍が娘の姿をして訴えてくるという話なんだが・・・・・・。
近代小説の近代らしさにたいするアンチとして、こんなかんじで近代以前のものを取り込もうというのは結構おこなわれてきているように思っていて、自分がそれらを別に全部読んだわけではないのに、描き方があまりにストレートでなんか異様に古臭く感じてしまった。
これなら開発でいまどういう事が行われているかをリアリズムで書いたほうがまだ読みたいと思うが、しかし利権の額もハンパないだろうし、反共産党的な取材など簡単に許されるとも思えない。そんな要求を作家にするのは過大に過ぎると思う。