『ロードキル――Roadkill』パク・ミンギュ

こういう身も蓋もない殺伐さが支配していて、しかし同時に生き生きとした混沌もそこかしこにあって、わずかな光というか胎動も同時に感じさせるデストピアな未来世界というのは、古臭いが好きな世界で、まあまあ楽しく読めたので[普通]にしたけれど、優秀なSFの域を出てないね。SF好きから言わせれば、いやいや優秀なSFはもっとあってそれらは純文学なんて問題じゃないくらい〜とか返されてしまいそうだが、この作品、現代社会への批評としては少し単純すぎる。