『すきずき』瀬戸良枝

うーい。この小説について何を書けば良いのやら。読んだのでなんか書こうと思うのだが、まったく関心のないような話がまったく関心のないように運んで終わる。何しろ、働く必要がいっさいなくてそれどころか良い食事を毎晩楽しんでもぜんぜん平気な一人身の母親とその母親のツバメさんを二人の双子の娘が関係したりしていくという内容ですからね。自分のことを「淫獣の性質を受け継いでいる」とかいう、もし座って読んでいたら椅子からずり落ちそうな記述もあったりするから、もうほぼどうでもよいよね。
まあ震災とかああいうことがあったような今のご時世でこういう小説ですから、逆にほめられても良いくらいです。文学は時代に添い寝したらいけません。あと登場人物がパコパコ煙草吸うのは好感持てます。
ちなみに、その人に知られないように動静をさぐりに行くのに「和装」でいくというのがさっぱり理解できなかったが、とくにほかに破綻があるわけではない。細かいこというなら母親と付き合う人間の名前も知らないというのも資産家ということを考えればどうかと思うが、ぜったい無いなとはいえない感じ。
それにしても娘が付き合っていたオトコにしても母親の付き合っているオトコにしても、気色悪すぎ。こんなクズみたいなメールを寄越すオトコに惚れる奴なんて居るとは全く思えないんだが、まさしく「すきずき」。この小説を好ましいと思うのもね。私には理解不能


穂田川洋山さんの作品に触れたかったのにまた時間がなくなりました。