『石飛山祭』石牟礼道子

近世のころの話だろうか、山から海へと集落を連ねた村落共同体での、日照り〜雨乞いで起こった出来事が語られるのだが、いかにもこの時代のできごとを語るに相応しいかのような文語調で語られる。それでも、リズムや言い回しがそれっぽいだけで、思ったほど読み辛くはないし、事の顛末もああなるほどね、と分かる。しかし、これがどのような意図かとか背景とか、そういう知識を全く持たないところで読まされて面白いかというと、まあ暫くたてばすっかり忘れているに違いない。