『餞(はなむけ)』勝見洋一

ここで文學界のほかの小説にふれると、村田喜代子の連作は、尖閣だとか対馬だとか最近なにかと騒がしい地域にかんする話も出てくるようなのだが、この人の小説面白いと思ったことないしパス。辻井喬椎名誠も読まずともどうせ想像の範囲だろうということで、残ったこの小説を読んだのだが、共産党の中国が成立するまえの中国の様々な風俗に触れられる部分については、そこそこ興味深いと思ったものの、老年男性が、死んだ息子のセクシーな嫁とあっけなくエッチしてしまうという内容で、お盛んですな、としか感じない。全体的に男尊女卑の香りがすることも気になるが、これは世代的には違和感無いんだろう。