『やらかいうつわ』青山真治

小説に猫だの犬だののペットについての話を中心に書かれるのは、幼い娘や息子の写真を印刷した年賀状をもらうのに似ている。
本人たちにとってかけがえの無いものだというのはそりゃそうなんだろうけど、入り込めない感じ。
むろん青山真治らしくネコだけで終わらせず、文学らしく我々の生命との対比で語られはするし、ラストのほうで離縁まで妻が口に出したりするところまで書くので、この短編については、あまりペットが中心という感じは残らずに済んでいる。でもね。