『創作合評』平田+佐川+田中

佐川光晴の小説評が人物評になっているのに、われながら引いてしまう。これでは倫理的に許せないような人物を主人公にした小説は小説としてもダメだという事になってしうまうので、「それ小説論じゃなくて人生論でしょ」とつっこみを入れる田中和生は正しい。
が、しかしこういう所でダメダシをするということは、佐川氏の小説に対する態度が伺えて興味深い。非倫理的な人物を小説に登場させないということ。カートヴォネガットだったっけか、自分の小説に悪人を登場させないというのを貫いていたのは。
しかし、下戸の超然に出てくる主人公をそこまで非難できるかというと、いろいろ気付かされた点はあるとはいえ、厳しすぎるなあとも言いたくなる。