対談『情報革命期の純文学』東浩紀×平野啓一郎

もはや結構話題になっているだろう対談なので、私程度のがあまり言及するまでもないかな。
面白かったのは、蓮実重彦が広めた純文学を規定するロジックを東が思い切り「自滅のロジック」と言い切り、あくまで文体を捨てられない平野がそうかもしれないですね、みたいな雰囲気になる処と、後半になると今度は平野が「要約できない文学がいいっていう人がいるけど、それ間違ってる」と言う処。東は思いっきり同意し、「要約できないのがいいなんて、たいへんな倒錯。本当に知的なのは要約できる小説」とまで言う。うわ。
要約できない文学といえば、記憶に新しい直近の芥川賞作家のあの人がばっさりなんでしょうか。そういえば蓮実さんも誉めてましたよね、あの芥川賞作家のこと。そしてその芥川賞作家の師匠筋にあたるのが、ネコの事を描かせたらこの人の右に出る人はいないのかもしれないあの人かと考えると、なんか読んでいて楽しくなった。
『新潮』ありがとう!なんとも楽しい雑誌です!