『妖談7』車谷長吉

前回もこれは書いたが妖しい部分がなくなってきている。はじめて妖談を読む人はどう思うのだろう。
いちばん最初の牛について書いたのが面白かった。小学生の頃、近所といっても1キロ以上は離れてただろうか、そこそこ大きな牧場がある友人がいて、遊びにいったときに豚のこの世ならぬ叫び声が聞こえてくる事があった。殺しているのかな、と無邪気に尋ねると、いや屠殺場に運ぼうとしているのだそれを嫌がって叫ぶのだ、とのこと。本当か嘘かは分からないけれども、今まで妙に納得している。