『熊出没注意』南木佳士

まるで自分の身代わりのように死んでしまった後輩のことについてもっと語られるかと思ったら、想像以上にあっさりとしている。また途中伯父やその兄弟、イトコが立て続けに語られ、関係がにわかに分かり辛い箇所があった。そのなかで(自分の)父が、母が早逝してしまったのち、その母の実妹に再婚を申し込んだ事があることも語られていて、そこで具体的にどんな顛末があったかなんてのは一番面白いと思うんだけど、そこに対する言及も殆ど無い。結果、山登りしたり一人で広々と温泉使ったり、さすが医者だけあって良い暮らししてるなあ、という印象だけが残ってしまった。(作者にとってはかなり不本意だろうけど。)