『キルリアン』藤沢周

読み辛い。だけならなだしも、それを読み砕いた後に何かしらの感慨が浮かぶわけでもない。苦行のように読んだ。まるで口数が多くなったゴルゴ13が純文学を気取って、外界に内面を反映したりして戯れているかのようだ。
また主人公は、廃屋のような所に住み世の中から弾かれた余計者を気取るかのようだが、ゴルゴほども孤独ではなく、行きつけの酒場を持ち、昔からの気心知れた友人がいて、情の知れた女もしっかりといるのだ。何より住んでいる所は鎌倉という、風光明媚な観光地という面を持ちながら都心にもすぐに出ることのでき、昔ながらの家が多く高層マンションなども目立たない高級住宅地でしかない。吉原清隆が描いた人物達の余りっぷりと、これは雲泥の差というもの。
いったいこの小説のどこを楽しめばいいのか。・・・・・・俺はいったい・・・・・・こんなものを読んで何をしようというのだ・・・・・・。と私もなんとなく・・・・・・を多用してみた。・・・・・・