『ドストエフスキー「未成年」の切り返し』山城むつみ

新潮で読んでいたときからそうだったが、山城氏は、私にとって、難しげに書かずして、それまでに無いような認識を説得力をもって示してくれる、ちょっと貴重な人。
今回のも、『未成年』そのものは読んだことが無いながら(というか私は『悪霊』『罪と罰』しか読んだことない)、また私の苦手な映画に絡めた話もありながら、何とか最後までついていけた。それだけでなく、ラストで、まさかこれほど直接現在のわれわれに接続させるとは、と、これはちょっとした驚きだった。