『山姥』瀬戸内寂聴

都会で敗れ去って田舎で新聞配達をしている中年男性が、自分と同じようにアウトサイダーみえるひとり暮らしの老女に親近感を抱いてしまう話。都会での過去の男女関係の話ででてくる人物がそれぞれすこしばかり古臭いのは致し方ないとしても、最後に老女が失踪してしまうのはピンと来なかったし、熱い紅茶は失踪後もそこにちゃんと置かれていたというのは余りに文学的に作られ過ぎている。