『その部屋』河野多恵子

中老年の女性が大きな都会のマンションで経験した四方山話。でかいマンションなので偶然つながりのある入居者がいたり自殺があったり。
そういうつながりのひとつで、マンションを意気揚々と改築した美人の中年女性の部屋に案内されたりするのだが、その後地域の歯医者についてその女性にアドバイスをしつつもどこか遠ざけるようなアドバイスで、結果として相手もそのアドバイスを参考にしていないようでもあったりして、ちょっと「この人とは合わないな」という人との微妙な距離感が、うまく描かれてはいる。半ば思わず出てしまった「趣味が洗濯」というのも面白かった。
作品とは関係ないが洗濯はたしかに少し楽しい。期待通りに汚れが落ちるとなかなか気分が良かったりするのだが、洗濯は洗ったり干したりするのは、綺麗になったりして楽しいのだが、私は乾いたあと、畳んでしまうのがいつもめんどくさい。