『海辺のサバト』桑井朋子

中年女性が老年女性に恋人を寝取られてしまう話。不思議なくらい以前読んだ桑井の作品とモチーフが似ている。たまたま読んだ2作がそうだっただけなのか、他にも何作か文芸誌に掲載されているのは見たのだが読んでいないので分からん。
ただ2作だけであってもこれだけ似かよっているというのは、よほどの執着を感じさせる。この作家にとって、生々しい性の営みと同性に対する激しい嫉妬というのは、よほど書くことへ向かわせるものだといのはよく分かったが、次の作品を読むのはこれでかなり躊躇することになるだろう。クルマがでてくるのだが、クルマらしい所があまり描けているとも思えない。