『およばれ』松井周

リゾートマンションは売れないが売れ残り不動産なら売れるようになったサラリーマンが核シェルターに住み、そこに付き合ってる女性を招待する話。
少なくとも広小路の小説よりは目新しい気がする。読みやすいし、リゾートマンションを売る売らないのやりとりなども面白い。ただ、ここでも、女性の住居に関する過去の傷が、純文学にありきたりなエピソードっぽくて、もっと他になかったのかという所があるのと、その女性のキャラクターがイマイチ掴みづらい。とくに相手の男性が彼女のどこを良いと思っているのかが、あんまり伝わってこない。内容的に深そうでいて、雰囲気だけで何もない感じ。