『猫マタギ』松本智子

生理の出血が断続的に続いているという病気なのかそうでないのかハッキリしない猫アレルギー女性の、あまり分かってない恋人男性と猫好き同僚との日々、という感じ。
不思議とこの男性や同僚の存在感がある。男性の元気さとちょっと拒否されてしない所がいいし、猫好き女性の淡々としてるところもいい。描写にとくに凝らず主人公の眼と一体化した自然な描写がそうさせるのだろうか。
ただ、始まりも終わりもなさすぎだし、題名にまでなっているのに猫とたわむれることの主人公のなかでの位置付けがよく分からない。あと、主人公と恋人男性とのあいだで猫好き女性のことがたびたび話に登るのだが、それがなぜかというのも、大事な点でありながら分からない。