『決壊』平野啓一郎

ここのところ展開が急。お台場でああいう事になるとは、なんか『ワールドイズマイン』のようになってきた。(マンガを読まない私でもこの作品は読んだ。)
刑事と崇との心理的なやりとりでもうちょっと引っ張っても、ワタクシ的にはもっと楽しめたし、また、崇母と弟嫁とのやりとりや、父親の自殺をめぐる状況の描写でも、もっとそれだけでも引っ張れるのに、とやや惜しく思う。
それでもゆりかもめの乗客の描写とか、ひとつひとつの場面においてはじつに細やかで、巧みな表現が味わえる。