『カデナ』池澤夏樹

先月号のは感想アップしていなかったけど、普通に、まあ面白く読める。
ただ、今の段階で、次の号をいち早く読みたいな、とまでは行ってはいない。
先月号で、アメリカ軍の極東地域の基地内でのある恋愛の話だけでなく、そこに隠されたスパイ行為みたいな話が出てきて、おこれは面白くなるのかな、と思いきや、今月号は(一見)今までの登場人物と関係のない沖縄人男性が過去を振り返る話。
もう少し、先月からの流れで書いても良かったかなあ、という所。
でもまあ、こうして戦時中の南方での日本人の尊大ぶりなどきちんと描いた小説があることは、与党内に修正主義者がうようよいるような状況では歓迎せざるをえない。
これまでの内容でちょっと通俗的だなと感じるところがないわけではないが、加賀乙彦の小説ほど一面的ではないし、是非ストーリー展開などでその辺を補いつつ、これから面白くしていって欲しい。