死霊をめぐる対談−奥泉光×佐藤亜紀

対談だから読みやすそうなので読んだが、埴谷雄高じたい、ほとんど知らないので、死霊の内容に関することを言われるとさっぱり実感がつかめない。基本的に、これから読みたい人ではなく、読んだことのある人向けの対談って感じだ。
奥泉さんはいつもどおりの原則とか理屈を立てたがるところが出ていて、佐藤亜紀は予想通りというか、鼻っ柱の強そうな感じで、前の奥泉光小谷真理対談を思い起こさせる感じだった。
どうも佐藤亜紀という人は才気と自己が前面に出てしまう感じがあってなじめない。もっとも小谷真理と違って、なにかとフェミニズム的言辞に結び付けないところは良かったけれども。
たぶんこの佐藤さんというのは新潮社と一悶着あった人だと思うのだけれど、意外にルックスがいい。