『神器―浪漫的な航海の記録』奥泉光

こちらは大分話が進展するようになってきて、また例の軽い気質の主人公が登場、天皇の双子の兄弟の話も出てくる。
とはいえ、まだ本格的に南に向けて出航はしていないのだけれども、男色めいた気分に走る将校のそこに至るまでのいきさつとか、そういう脇の人物のことなど面白おかしく書いてくれるから全然許せる。
私が知ってる中では、奥泉さんが一番この"面白おかしく"書く力のあるひとだ。