『先生とわたし』四方田犬彦

いきなり2時間近く、この滅茶苦茶長い評論に途中まで没頭してしまう。
由良君美という非常に頭の良い酒癖の悪い人がいて、小林秀雄吉本隆明江藤淳を嫌っていた、というのはなかなか面白い。
ぜんぜん知らなかった。
小林秀雄の性格が悪そうな一筋縄ではいかないような人は別として、江藤とか、未だに中高年にファンが多い吉本とか、もっとアカデミズムの側が批判を怠らずにいれば、と度々思うだけに、この人の晩年は残念。
ただ彼がこんな晩年になってしまったのは、結局は吉本や江藤にたいしてあまり力が及ばなかった事も少しは影響してるのだろうか。だとするなら、残念もクソもないんだが。