2010-06-29から1日間の記事一覧

『群青の杯を掲げ』上村渉

じつをいうと、この人のデビュー作品というのは、新人賞作品としてはたぶん唯一2回読んだ作品。二作目もそんなに悪くない作品だった記憶だが、これは正直退屈。とくに前半部分。 後半部分の厚木街道を静岡に向かって歩く部分は、私自身馴染みのある道路であ…

『拍動』シリン・ネザマフィ

最後にいたってはベタな内容という感想が起きるかもしれないが、面白く読めたのだから仕方がない。とくに、交通事故に遭った人の親族のうちの、故郷からやってくるひとびと、妹と男二人の様子が面白い。彼らと主人公との間に起こる緊張関係が、この先どうな…

『文學界』 2010.6 読切作品

さいきん心が荒み気味の理由を今日も挙げてみるなら、文芸誌の7月号のラインナップの薄さ。連載しか楽しみがない感じです。 とくに『文學界』は、またハルキですか、とそれだけでなく、ひとつも読もうという気も起きない読み切りばかりか、読み切り作品には…